派遣社員の健康診断事情とは?手続き方法・受診費用などを紹介!

仕事を続けるためには、健康診断を受診して身体の状況を確認することが大事です。ただ、派遣社員のなかには「派遣社員が健康診断を受診できるのだろうか」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、派遣社員が健康診断を受診できる仕組み、健康診断の受診費用などを紹介します。 

派遣社員は健康診断を受診できるのか? 

派遣社員には健康診断を受診する義務があります。「安衛法第66条第2項・第3項、安衛令第22条」によって派遣元が実施しなければならないことになっており(健康診断の内容によっては、勤務先企業が行うこともあります)、多くの派遣会社では自社の派遣社員が健康診断を受診したか管理しています。 

派遣会社によっては、健康診断を受診していない派遣社員に対して注意する場合もあるので気を付けましょう(健康診断受診対象外の派遣社員は除く)。 

健康診断の受診基準は、派遣会社によって違う 

派遣会社によって、健康診断の受診基準は異なります。一般的なのは「〇〇社の派遣社員として〇〇カ月以上働いている場合は健康診断の案内をします」というパターンです。この場合、条件に達していない派遣社員の人は受診できません(仮に、受診できたとしても全額自己負担になるケースが多いです)。派遣会社でスタッフ登録をするときに、健康診断の受診基準についても確認することをおすすめします。

 健康診断の流れを見てみよう 

派遣社員が健康診断を受けるときの手続き方法を見てみましょう。今回は、はけんけんぽのモデルコースを参考にしながら紹介します(派遣会社によっては手続き方法が異なるケースもあるので気を付けてください)。健康診断の受診を考えている方は参考にしてください。 

派遣会社から健康診断の案内が届く 

まず、派遣会社から健康診断の案内が届きます。健康診断の実施要項について簡単に記載されている要項を参考にしながら、健康診断の申込を行いましょう。 

なかには健康診断の受診資格がない派遣社員に書類が発送されるケースもあります。その場合は、派遣会社(の総務担当など)へ確認することをおすすめします。派遣会社の確認をとらずに受診すると、健康診断の費用を全額自己負担しなければならなくなり、高額な費用が発生するケースもあるので気を付けてください。 

受診するコースを決める 

健康診断で受診するコースを決めましょう。はけんけんぽの場合は「特定健診」、「基本健診A・B」、「生活習慣病健診」、「生活習慣病予防健診」、「人間ドック」のコースがあり、診断料金は各施設・各健診内容によって異なります。ちなみに一番安い健診コースは「特定健診」で、一番高額な健診コースは「人間ドック」です。なお、人間ドックの場合は自己負担額が10万円を超えるケースもあるので注意しましょう。 

受診する病院を決めて予約する 

受診するコースを決めた後は、対象コースの診断を受診できる病院を探してください。病院までの交通費は出ないので自宅から近い場所(または通勤定期で行ける場所)を選択すると良いでしょう。ただし、受診する病院によって実施日時は異なるので出勤日とかぶらないかの確認は忘れないでください。 

予約した日に病院へ行き健康診断を受ける 

予約が完了したら、受診日に病院へ行き健康診断を受けるのみです。なお、健康診断後の支払はある場合とない場合があります。これは、派遣会社の福利厚生制度・医療機関の会計手順によって異なるためです。不安な方は、診断当日に支払いが発生するか派遣会社の担当者へ聞いておきましょう。質問をするときは、あなたの個人情報(名前・生年月日など)を伝えるとスムーズに確認してもらえるはずです。 

診断結果が送付される 

病院での健康診断が終了すると、診断結果が自宅へ送付されます。派遣会社・勤務先企業によっては健康診断の結果を確認するために、健康診断結果が記載してある用紙の提出を指示されるかもしれません。迅速な対応をするためにも、診断結果が記載してある用紙は保管しておいた方が良いでしょう。 

健康診断の受診費用(自己負担)は発生するの?

健康診断の受診費用は発生しないケースもあれば、発生するケースもあります。発生する理由は主に2つあるので見てみましょう。 

派遣会社の費用補助が受診料を超えるとき 

健康診断の費用を補助する金額は派遣会社によって違います。「上限〇〇円まで派遣会社が負担」となっているケースもありますが、費用額は派遣会社の福利厚生制度によって異なります。そのため、健康診断を受診する前に派遣会社の担当者へあらかじめ確認した方がよいでしょう。 

ただし、派遣スタッフとしての勤務実績が短い場合は、全額自己負担しなければならないケースもあるので気を付けましょう。 

費用補助の対象外になっている健康診断を受診したとき 

健康診断の費用補助対象外になっているコースを受診した場合も、自己負担額は発生します。代表例が「特定健診は派遣会社が全額負担するが、それ以外の健診内容だと自己負担額が発生」するパターンです。 

つまり、さきほど紹介した「生活習慣病健診」や「人間ドック」など対象外のコースを受けた場合、自己負担額が発生するということです。また、無料の健診でもオプションを付けると受診費用が発生するケースもあるため気を付けてください。 

健康診断を受診した日の給料は出る?出ない? 

健康診断を受診した日の給料が出るかは、派遣会社・勤務先企業によります。給料が出るケースは「派遣会社が給料を支給する場合」、「勤務先企業が出勤日としてくれる場合」です。逆に給料が発生しないケースは「欠勤扱いになった」ときです。この場合、有給を使わない限り給料は支給されません。お金のことでトラブルにならないためにも、健康診断を受診する前に派遣会社の担当者へ確認しましょう。 

派遣期間終了後も健康診断を受診できる場合がある 

派遣期間終了後も、被保険者資格を喪失しなければ健康診断を受診できる場合もあります(=使用関係の継続)。ただし、派遣期間終了後も被保険者資格を継続するには、下記条件のいずれかに該当する必要があります(下記の内容以外にも細かい条件が設定されているため、目安としてご覧になってください)。 

前職と同じ派遣会社で別の仕事をする 

前職と同じ派遣会社のスタッフとして、別の勤務先で働くことが決定している(登録型派遣の仕事が決まっている)人は、引き続き被保険者資格を継続することができます。 

退職後1カ月以内に、別の仕事が始まる人 

退職してから1カ月以内に働ける転職先が見つかっている人に対しても、使用関係の継続は成立します。派遣業務だけではなく、社員としての採用が決まっている人も適用対象です。  

過去の勤務履歴・将来の勤務予定によって被保険者資格が継続できるかが決まるので、今の仕事を退職する人は確認しておきましょう。 

健康診断を受診して、身体をケアしよう 

派遣社員にも健康診断を受診する権利はあります(派遣会社・検査内容によって自己負担額は異なるので気を付けてください)。なかには、健康診断を受診することが面倒な人もいるかもしれません。しかし、健康診断を受診しなかったばかりに重大な病気(がんなど)を見逃してしまい、命を落とす人もいます。本記事を読んで、健康診断を受診したいと思った派遣社員の方は派遣会社の担当者(または派遣会社の労務関連部署)へ確認することをおすすめします。 

※本記事の内容は2018年6月現在の内容です。健康診断の受診料は年によって変動することもあるため、受診前に費用確認をしてください。 

参考サイト