扶養内で効率よく働くには?主婦が注意するポイント

主婦が仕事を始めようと思い立ったときによく耳にする「扶養の範囲内で」のフレーズです。「扶養の範囲内で」仕事をするというのは、どういうことなのか?
扶養の範囲内/範囲外での就労に、どのような違いがあるのか?扶養の範囲内で働くならば、具体的にいくらまで稼ぐことができるのか、また何時間まで働くことができるのか?

今回は、扶養の範囲内で主婦が効率よく働くための方法と、その際の注意点を紹介します。

扶養内で働くとは、どういう意味?

主婦が何かしらの仕事を始めようとする際によく聞く「扶養の範囲内」という枕詞。これが示すのは、多くの場合「税金上の扶養」の範囲内という意味です。

これは「扶養控除・配偶者控除のボーダー」を超えるか/超えないかという話であり、配偶者の扶養から外れてしまうと、配偶者が支払わなければいけない税金の金額が増えたり、社会保険料を主婦が自分で支払わなければならなくなったりします。
したがって、「扶養の範囲内か否か」を気にしたり、「働くならば扶養の範囲内で」と考える人が多いのです。

また、その基準を「主婦のパート先の社会保険の適応」に定める場合もあります。
平成28年10月から導入された「社会保険」に関する新しいルールに基づけば、1日、または1週間の所定労働時間が一般正社員の4分の3以上、かつ1ヶ月の労働日数が、一般社員の4分の3以上に該当する場合は被保険者となるため、扶養の範疇から外れてしまいます。

つまり「扶養の範囲内で働く」というのは、配偶者の給与所得から「配偶者控除」が受けられる状態を保ちながら妻も仕事をする、という意味です。

知っておきたい扶養のルールとは?

そもそも「扶養控除・配偶者控除」とは、世帯主に養う家族がいる場合、その生活にかかる費用の負担を考慮して所得税ならびに住民税の負担調整を行うことを目的とした制度です。控除額は控除を受ける納税者の合計所得に応じて変わります。

    【納税者本人の合計所得金額が900 万円以下の場合】38万円
    【納税者本人の合計所得金額が900万円以上950万円以下の場合】26万円
    【納税者本人の合計所得金額が950万円以上1000万円以下の場合】13万円
    【納税者本人の合計所得金額が1000万円以上の場合】控除なし

納税者本人の合計所得が1000万円以上の場合はそもそも扶養控除がないわけですが、扶養から外れると、控除が受けられないだけでなく、金銭的負担が増えてしまいます。

年収103万円以下の「扶養の範囲内」であれば、先の控除を受けられるとともに、所得税・住民税・社会保険料の支払いも一切必要なく、働いた分がまるまる手取りとしてもらえるのです。
他方で、年収が103万円以上129万円以下になると、所得税・住民税が発生、さらにそれ以上になると社会保険料まで発生してしまいます。

その結果、手取りでもらえる金額も減ってしまうというわけです。

扶養の範囲内で働く場合、いくらまで稼ぐことができる? 何時間まで働ける?


では、具体的に「扶養の範囲内」で主婦はいくらまで稼ぐことができるのか? また、何時間まで働くことができるのか? を見ていきます。年額については先に記しましたが、ここではわかりやすく月額で見ていきます。

  • 年額103万円以下の収入で「扶養控除・配偶者控除」を受ける場合
  • → 月額8.5万円以下
      所得税や住民税の支払い、社会保険料の支払いも発生しないので、手取り額がイコール収入となります。

  • 年額129万円以下の収入で「扶養控除・配偶者控除」を受ける場合
  • → 月額10.7万円以下
      所得税・住民税の支払いが発生します。
      また、週あたりの労働時間が20時間以上を超えると、129万円以下でも税金の発生義務が生じてしまいます。

  • 年額130万円以上の場合
  • → 月額を気にする必要はなくなりますが、所得税・住民税・社会保険料(年収の14%)の支払いが発生します。

  • 法改正による「配偶者特別控除」の緩和
  • → 2018年の法改正に伴い、103万円を超えても、その額が150万円以内であれば、夫の収入に「配偶者特別控除」が適応され、夫の収入から分として38万円が引かれ、結果的に夫に課せられる税金が安くなる、と変更になりました。
     ただし、夫の所得が900万円以上になると段階的に控除額は下がり、1000万円以上の場合は控除額は0になります。

    受け取る額だけではなく、週に何時間働くのか、というのもポイントになるので、注意が必要です。

    103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁、150万円の壁とは?


    結局、何がどうなのか? たくさんの数字や基準が出てきて、話が複雑になってしまっているので、ここでまとめてみます。
    主婦がパートやアルバイトで「それ以上働くと、税金や社会保険の面で損をする」とされるのは103万円の壁・106万円の壁・130万円の壁・150万円の壁の4つです。

    103万円の壁

    所得税の壁
    :年収が103万円を超えてしまうと、収入額に所得税が課せられるため手取り額が減ってしまいます。

    106万円の壁

    社会保険の壁
    :年収が106万円を超えると、社会保険に加入しなければならない可能性が出てきます。
    社会保険への加入義務が生じるのは、
     ・勤務時間が正社員の4分の3以上の日数・時間に該当する場合
     または
     ・勤務先の従業員数が501人以上
     ・週1たりの労働時間が20時間以上
     ・雇用期間が1年以上(見込みも含む
     ・学生ではない
     ・1ヶ月の給与が8万8,000円以上
     の5つの条件に当てはまる場合
    です。
    夫の扶養に入っている=「扶養の範囲内」で働けば、主婦自身で社会保険料を払わなくても、「夫の扶養家族」として健康保険や厚生年金の対象者となっています。

    130万円の壁

    扶養の壁
    :扶養家族となっていた配偶者の年収が130万円を超えると、扶養からは外れることになります。
     したがって、パート先やアルバイト先で社会保険に加入し給与からの天引きという形で支払い義務を履行するか、自分自身で国民健康保険料や国民年金を納めるか、いずれかの形を取らなければいけません。

    150万円の壁

    配偶者特別控除の壁
    :2018年に法改正され、103万円を超えても収入年額が150万円以内であれば、夫の収入に38万円分の「配偶者特別控除」が適応され、夫が支払うべき税金が安くなるようになりました。
     150万円を超えると適応できません。また、夫の収入が1000万円以上の場合にも、控除額は0円となります。

    「103万円以下」で働くときに気をつけること

    扶養内で働く際、注意すべき点が交通費です。
    一定金額以下の交通費は非課税となっているため、通勤にかかる費用は所得に含まれません。

    しかし、例えば、103万円以内で働きたいと思っていても、時給1,200円+交通費300円と、交通費込みで時給1,500円とでは年収が異なります。交通費込みの場合は交通費も給与とみなされるので注意が必要です。
    103万円以下ギリギリで働きたいと考えている人はこうしたこともしっかり把握しておきましょう。

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    参考サイト

    国税庁
    税理士ドットコム
    日本FP協会
    シニアガイド