老後の生活費が不安?!不安解消のために行うべきこと

男性 81.09歳、女性 87.26歳という日本人の平均寿命。しかしながら、年々延びている平均寿命という明るい話題の反面で、年金の問題なども浮き彫りとなり、老後の生活費については老いも若きもが必然的に考えなければいけない時代です。

今回は、老後の生活費について紹介します。
老後の生活費に伴う不安についても取り上げ、その不安を解消するために今の内からできることにも触れます。

定年後の暮らしの現状とは

2013年4月「高齢者雇用安定法」が改正されたことで、希望すれば原則として65歳まで働くことができるようになりました。
しかし、定年を特に定めていない会社も存在する一方で、法改正従前の「60歳」を定年と定めている企業も多いのが現状です。そうすると、平均寿命との関係で考えた場合、定年後、約20~30年は暮らしを維持していく必要があるというわけです。

定年後の主な収入源は、公的年金・資産収入・勤労収入(不労所得)となります。

公的年金とは

老後受け取ることのできる公的年金には、老齢年金と老齢厚生年金があります。
在職中など厚生年金をかけていた期間がある場合に受け取れるのが老齢厚生年金で、国民年金のみを収めていた場合には老齢年金のみが受給されることになります。

老齢基礎年金は65歳から一生涯もらえるもので、年額の最高が78.01万円となっています。老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れる場合の平均は、会社員の場合 男性約209万円女性約131万円となっています。老齢厚生年金の受取額は、退職前、在職中の収入の平均額や、厚生年金への加入期間などに応じて決まります。 

資産収入(不労所得)とは

土地や建物といった不動産(区分所有も含む)、 証券(株を含む)、自動車など、いざというときには現金に換金できるものを「資産」と呼び、その資産を運用することによって得られる収入が資産収入です。

勤労所得による収入とは

定年後に再就職した場合には、給与等による収入も見込むことができます。人生100年時代と言われる今、シニア層が活躍する企業も多くあります。年齢に関わらず、意欲と能力に応じて働き続けられる制度を導入する会社も増加しています。

定年後の暮らしの現状は、これらの収入源のどの部分に頼って生計を立てているかにもよりますが、定期的な収入を求めて就労する人が増えています。

老後(夫婦2人)に必要なお金とは

公益財団法人 生命保険文化センターの調べによると、夫婦2人で老後生活を送るために最低限必要な日常生活費は月額平均「22万円」とのこと。ゆとりある老後生活のために必要な月額平均は「34万円」だと言われています。

また、総務省統計局の調べによると、「年金生活」開始後の実収入は「再雇用期間」の約5割、消費支出は約8割とのことで、「年金生活」では健康を気遣いながらも食料費も削減しているというデータ結果が出ています。
食費、光熱・水道費、家具・家事用品費、被服及び履物費、保健医療費、交通・通信費、教育費、教育娯楽費、その他雑費といった名目で算出し、必要金額をシミュレーションしてみるとよいでしょう。

ただし、気をつけなければならないのが、消費税率のアップや物価の上昇といった支出につながる部分の値上がり等です。算出で概算できるのは、あくまでも「今」の時点でのシミュレーションである、という点には留意が必要です。

安心な老後のために今できること

十分な貯蓄

収めていればもらえるとされる年金については、支給見込み額を「ねんきんネット」で調べることができます。ねんきん受給額、並びに生活費のシミュレーションに基づいて、不足分としてどれくらいの金額の預貯金があれば心のゆとりを持つことができるのかを確認します。

退職後に再就職をする、つまり貯蓄を確保しながらある程度の収入を見込むことができる場合には、老後にゆとりある生活を見込むことができます。
退職による収入の減少に伴って「生活レベル」を落とすのか、それとも「生活レベル」をキープするために預貯金を保ちながら再就職で仕事を続けるのか、その辺りは早いうちから考えておくに越したことはありません。

現状分析と生活設計

何よりもまず、現状を「見える化」し現状分析を行うことが大切です。

  • ローンがある場合
  • 定年後、収入が不確定または不安定な状況になることや、収入額の減少予想を踏まえ、ローンがある場合は定年までに完済できるようにします。

  • 子どもの教育費が必要な場合
  • 晩婚化が進む現在、定年時にまだ子どもが教育費のかかる学生であるという場合も少なくありません。進学先が国公立なのか私立なのか、どの段階まで進学させるのか、そのあたりの予めの概算が必要です。

  • 定年が遅い場合は、年金受給開始年齢を遅らせる
  • 年金受給開始年齢を遅らせると、受給額が42%増額されます。可能な限り働き続け、この仕組みを利用することも生活設計においては大きなポイントとなります。

    FPへの相談


    お金の専門家に相談することも、良いでしょう。お金に関する様々な悩みをサポートしてくれたり、解決策を提案してくれたりする専門家がファイナンシャルプランナー(FP)です。
    老後の生活の見通しを立て、生活設計や資産設計・資金計画の提案やアドバイスを行ってくれる専門家に相談すると、自分たちだけで考えているよりもぐんと具体的に、クリアにイメージできるようになります。

    銀行や証券会社、保険ショップに行くと、FPの資格を持っている人に相談することができます。また、インターネットで検索して独立開業しているファイナンシャルプランナーを探すことも可能です。

    老後に収入源を作る方法とは?

    老後も収入を、と考える場合に、最も堅実かつ現実的なのは、やはり自分が働いて収入を得る、ということになります。そのために用意された様々な制度やサービスもありますので利用してみるのもおすすめです。

    継続雇用制度

    給与や雇用形態や給与、業務の内容などは定年前と変わってしまう場合が多いのですが、それでも再就職先を一から探すよりは確実に職を手に入れることができる制度です。
    導入している企業であれば、希望することで利用できます。

    ハローワーク・シルバー人材センター

    現在、ハローワークには「生涯現役支援窓口」が設置されており、定年後のシニア世代の再就職支援を積極的に行っています。
    また、シルバー人材センターでは臨時の簡易請負業務、短期間の簡易請負業務などを紹介してもらうことができます。

    転職サイト

    最近では、シニア世代向けの転職サイトも充実しているので、自発的、積極的に仕事を探すことが可能です。登録するとシニア向け求人情報が得られるだけではなく、転職に必要な様々なノウハウも学ぶことができます。

    40歳を過ぎて再就職したい人にはウィルオブがおすすめ

    老後を見据えてより良い就職先を探したい、専業主婦だけど夫の収入だけでは不安だから再就職をしたい人におすすめなのが「ウィルオブ」。
    ブランクを感じる人や、希望条件に合う会社を探している人を就職するまでサポートしてくれるサービスです。

    未経験でも活躍できる仕事もたくさんあるので、新たな気持ちで就職先を見つけることができます。

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    参考サイト

    公益財団法人 生命保険文化センター
    厚生労働省「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
    総務省統計局
    一般財団法人 ロングステイ財団
    fuelle フエル
    日本ファイナンシャルプランナー協会