2019年5月22日、金融庁の金融審議会が「人生100年時代」における資産形成を促す報告書を公開しました。
65歳から30年間生活する場合、年金支給額-支出の合計「2,000万円」と発表され、また麻生太郎財務大臣の発言も物議を醸し、大変話題になりました。
年金支給額、老後における毎月の支出など、多くの日本国民に対して将来の不安を煽る形になってしまったといえます。
この記事では「そもそも年金はいくらもらえるか」「フリーター(派遣社員、アルバイト)では年金はいくらもらえるか」を年金の仕組みについて解説しながら紹介をしていきながら、年金をより多くもらえる働き方を選ぶきっかけになれば幸いです!
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- 年金には、国民年金以外にも、厚生年金が適用されている会社で働いている方が対象となる年金です。そのため、より多くの年金を希望する方は正社員か派遣社員で働きましょう。
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目次
そもそも年金ってなに?
よく「年金」という言葉を聞くかと思いますが、年金がどのようなものか実感がない人がいるかもしれません。
年金とは、正確には「公的年金」といい、国民が払う義務がある保険のことを指しています。
また、公的年金には「国民年金」「厚生年金」という2種類がありますので、簡単に説明をしていきます。
公的年金
では、簡単に2種類の公的年金について触れていきましょう。
すべての人が加入する「国民年金」
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人に適用されます。
20歳以上ということが条件なので、学生でもフリーターでも関係なく国民年金に加入する義務があるのです。
もし、未納分がある場合はすぐ払いに行きましょう。
会社員が加入する「厚生年金」
国民年金とは別で、厚生年金制度が適用されている会社で働いている人が対象となります。
基本的に会社員であれば適用されるとは思いますが、非正規雇用(アルバイト・パートなど)のでも適用される場合があります。
非正規雇用で厚生年金がもらえるようにするにはどうすればいいか。
もっと年金について知りたい!という人はこちらの「年金って何?基礎から年金受け取りまでを解説」で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
正社員がもらえる年金の金額
では、実際にどれだけ年金が受け取れるのかを平均月収から計算していきましょう。
男女合計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
32万1600円 | 34万8483円 | 26万3600円 |
今回の計算は、「男女合計」の平均月収で計算をしていきます。
平均年収から算出されるのは、厚生年金です。
国民年金は、保険料が一律なので計算は簡単です。
とはいっても、変動するかもしれませんので、およその計算となります。
ご注意ください。
32万1000円×420ヶ月(35年)×0.005418=73万454円
経過的加算=定額部分の金額-同じ期間に対応する基礎年金の金額
定額部分の金額:1,625円×厚生年金加入月数(上限480月)=68万2500円
同じ期間に対応する基礎年金の金額:77万9300円×厚生年金加入月数(20歳~60歳)÷480月=68万1887円
(年金額は平成30年度のもので計算しています)
これに配偶者や子供によって加給年金額が加算されます。
上記3つを足したものが年の年金受給額です。(73万1000万円)
これを12か月で割ると月額は約6万円程度となります。
国民年金(月額約6万5000円)+厚生年金(月額約6万円)=年金月額約12万5000円
こちらの計算をもとに、男性と女性の年金受給額を算出すると……。
男女合計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
12万6036円 | 13万1076円 | 11万5037円 |
働いていたときよりは減っているかと思いますが、12万円ほどあるのであれば、普通に生活するには足りる金額かもしれません。
もちろん、旅行や娯楽などを楽しむのであれば、少し節約をしていかなくては厳しいでしょう。
ですが、それまでに貯金がある、夫婦で暮らしている場合は二人分の年金で協力し、生活にゆとりができるのではないでしょうか。
フリーターがもらえる年金の金額
正社員の場合と同じように、こちらも平均月収から将来もらえる年金の金額を見ていきましょう。
男女合計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
21万8000円 | 23万4500円 | 18万9700円 |
ここからさらに年金の金額を出すため計算をしていきます。
ですが、ここで注意していただきたいのは、非正規雇用の場合は、一定条件を満たしていないと厚生年金の対象とはならないということです。
つまり、非正規雇用でもらえる年金は「国民年金」だけとなります。
その点を踏まえて計算を……とは言いますが、先に述べたように国民年金だけであれば計算は楽です。
国民年金は一律なので、正社員も非正規雇用も変わりません。
ずばり、非正規雇用の年金受給額は月に約6万5000円です。
この金額はさすがに生活していく上で厳しいものとなるでしょう。
もし、年金で暮らす年齢になってもアパートやマンションを借りているのであれば、その家賃代だけでほとんど持っていかれてしまうのではないでしょうか。
たとえ貯金があったとしても、それで老後を過ごすには不安が大いにあります。
そのため、もらえる年金だけでは暮らせないとなれば働かざるを得ません。
定年退職後でも働いていくというのは、体力だけでなく、仕事の幅も狭いので見つけるのも苦労するかと予測されます。
また、さらに怖いのが国民年金の未納がある場合です。
最初にも言いましたが、国民年金の納金は義務なので必ず支払わなければならないものです。
ですが、それだけが理由ではありません。
フリーターの年金受給の結果を見てわかるように、老後にもらえる年金は国民年金によるもののみです。
つまり、働いている今、国民年金を支払わないのであれば、将来もらえるはずの年金(老齢年金)すら受け取れなくなる可能性があるのです。
少しでもあると助かる年金がもらえない…それはつまり……そう考えるとぞっとしますよね。
どうしても払えない場合は、年金機構に連絡をして早めに対策をしましょう。
派遣社員がもらえる年金の金額
少し触れましたが、非正規雇用でも条件が満たしていれば厚生年金をもらえるのです。
もし、厚生年金をもらえていたら年金はいくらになるのか、どれだけ差額が出るのかを見ていきましょう。
また、派遣社員も非正規雇用ではありますが、この場合、結構な確率で厚生年金の加入資格があるので、ここでは厚生年金を払っているものとして計算をしていきます。
非正規雇用の平均月収は上記の表にある「非正規雇用の平均月収」でも挙げているので、平均月収を21万8000円として計算をしていきます。
21万8000円×420ヶ月(35年)×0.005418=49万6072円
経過的加算=定額部分の金額-同じ期間に対応する基礎年金の金額
定額部分の金額:1,625円×厚生年金加入月数(上限480月)=68万2500円
同じ期間に対応する基礎年金の金額:77万9300円×厚生年金加入月数(20歳~60歳)÷480月=68万1887円
(年金額は平成30年度のもので計算しています)
これに配偶者や子供によって加給年金額が加算されます。
上記3つを足したものが年の年金受給額です。(49万9000円)
これを12か月で割ると月額は約4万円程度となります。
国民年金(月額約6万5000円)+厚生年金(月額約4万円)=年金月額約10万5000円
こちらの計算をもとに、男性と女性の年金受給額を算出すると……。
男女合計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10万5025円 | 10万9519円 | 10万1024円 |
うーん……確かに厚生年金があるだけで多少は助かりますが、やはり心もとない金額ですね。
結構ギリギリの生活になってしまうかと思います。
少し余裕が欲しいのであれば、やはり定年退職後も働く必要があるでしょう。
しかし、非正規雇用で働いていた時の給与で年金受給額は変わってきます。
より良い条件での非正規雇用で働いていけば、正社員まではいかずとも、生活に余裕ができる老後が送れるかもしれません。
人材会社ウィルオブへまず無料相談してみる厚生年金を支払う派遣社員と正社員が年金を一番多くもらえる
以上の結果を見るに、やはり国民年金だけでなく厚生年金も支払っている「正社員」「派遣社員」がより多くの年金をもらえることがわかりました。
当然といえば当然ですが、将来へかける保険が多いほど、もらう時の金額が多くなるということですね。
さらにこの二つでも収入が多い正社員が特に高い年金をもらえています。
今回の結果を見て「あれ、あまり差額ないよね?」「これくらいなら貯金すれば大丈夫な気がする」と思った人は要注意!この少しの差が長期的に見たとき、とても大きな差となっていくのです。
その差は、働いた合計総額がわかる「生涯賃金(生涯年収)」というものを確認することで、より大きく出てきます。
詳しくはこちらの「【2023年最新】非正規雇用と正社員サラリーマンの生涯年収を比較!男女、学歴別手取り平均月収も」をご覧ください。
正社員として働いていた方が将来的に、楽になっているということが言えるでしょう。
それも、早いうちなら特に……そのため、できるならば新卒からが良いです。
もし、非正規雇用として働いていたというのであれば、今からでも正社員で働けそうな会社を探しましょう。
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ウィルオブで仕事探ししてみるまとめ
実際に金額で見るとそれぞれの差がわかり、年金について物議を醸していた理由が分かったかと思います。
それにより、今の状況がより現実的に見えてきたのではないでしょうか?
近い将来を見ると非正規雇用でも大丈夫と思えるかもしれません。
ですが、定年退職後のことを考えるとその時を生きるのが厳しい状況になってしまうということを理解されたかと思います。
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