単発の派遣の期間は最低何日から可能?始める前に知っておきたい情報

単発の派遣社員として働きたいと思っていても、一定の期間働かないといけないのではないか? と疑問を持っている方もいると思います。また、単発派遣=日雇い派遣とイメージされる方も多いのではないでしょうか。ここでは単発派遣への疑問点をクリアにし、単発派遣だからこそ実現できるメリットなどのお役立ち情報をお届けします。

単発の派遣には2種類ある

31日以上の雇用契約を結ばなければいけない場合

単発派遣と聞いて「1日からできるんでしょ?」と思われる方も多いでしょう。2012年9月まで単発派遣は1日のみの就業が可能でした。しかし、2012年10月1日から労働者派遣法改正法で日雇派遣が原則禁止となり、30日以内の期間を定めて雇用する労働者(日雇労働者)の派遣を禁止するという法律になりました。

この法律施行には、日雇い派遣では労働者の安全・安心・安定の権利を守れなかった背景がありました。具体的には、「労働基準法」が雇用主である派遣会社と派遣先企業のどちらが責任を負うべきか曖昧になってしまうケースの多さが挙げられます。

派遣労働者が安全・安心・安定して働けるように日雇い派遣を制限しようとするのがこの法律の目的です。一般的には31日以上の雇用契約を派遣会社と結ばなければ短期派遣はできませんが、例外もいくつかあります。

1日の日雇派遣がOKな場合

1日きっかりの日雇い派遣が可能なのは下記に当てはまる方々です。

  • 60歳以上
  • 学生
  • 副業(主たる収入が500万円以上)
  • 主たる生計者ではない(世帯収入が500万以上)
  • 翻訳、調査、研究、OAファイリングなどを始めとする特殊な職種

単発アルバイトとの違い

単発アルバイトは1日からの就業が可能です。労働法における日雇いという言葉には「日々、または 30 日以内の期間」という定義があります。

アルバイトの場合、契約した企業や店舗との直接的な雇用となり、契約した事業の管理者が指揮命令権を持ちます。一方で派遣の場合、実際に働くのは派遣先企業ですが、契約は派遣元企業と締結されます。
また、アルバイトも派遣も時給制ですが、シフトの自由度高く働くならアルバイト、高時給で働くなら派遣、とそれぞれメリット・デメリットがあります。

アルバイトと派遣社員のちがいについて詳しく知りたい方は、「バイトと派遣社員はどう違う?メリット・デメリットを徹底検証!」をご覧ください。

単発派遣の詳しい条件と具体例

先ほど簡単にご紹介しましたが、1日の日雇い派遣がOKな条件は少し分かりにくい部分もありますので、詳しく説明します。

60歳以上

応募時の年齢が60歳以上であること

雇用保険の適用を受けない学生

定時制や通信制、夜間に学校に通う方は不可で、昼間に学校(高校、専門学校、大学)に通っている学生が可能となります。

副業として日雇い派遣に変わる方(主たる収入が年収500万円以上)

こちらについては具体的に説明します。副業としてNGな場合を見てみましょう。

Aさんは3つの仕事を掛け持ちしており、それぞれの収入が450万円、100万円、30万円の580万です。全体では500万を超えていますが、主たる収入は500万円を超えていません。そのためAさんは日雇い派遣ができません。

主たる生計者ではない(世帯収入が500万以上)

主に主婦の方が当てはまります。主たる生計者とは世帯収入の50%を占める方のことです。

例として、年収50万円のパートをしている主婦Bさんで考えてみましょう。Bさんの旦那さん(主たる生計者)の年収510万円だった場合、Bさんは1日の日雇い派遣が可能です。

Cさんという大学生の父親の年収が400万円で、母親の年収が110万円の場合についても考えてみましょう。このケースではCさんの両親の年収合計が500万円を越えるので、Cさんは日雇いの派遣で働けます。

単発派遣で働くことのできる職種

次に挙げる職種については短期の派遣で働いても違法ではありません。
ソフトウェア開発、調査、機械設計、財務、事業の実施体制の企画・立案、事務用機器操作、取引文書作成、書籍等の制作・編集、通訳、翻訳、速記など、デモンストレーション、広告デザイン、秘書、添乗、OA インストラクション、ファイリング、受付、案内、セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

単発派遣のお仕事ならではメリット

日雇い派遣が適用になるケースとそうでないケース、短期アルバイトとどう違うのか?などがお分かりいただけたでしょうか。単発派遣のお仕事を通してメリットを感じられる働き方や自分にあった職種が発見できることも多いようです。

特に女性にとっては美容系、アパレル系など兼ねてから憧れだった業界にチャレンジできるような求人があります。また性別問わず、データ入力、シール貼り、警備員など自己完結型のお仕事で人間関係のストレスが少ない求人も豊富です。どのような魅力的なお仕事があるのか見ていきましょう。

女性ならではの憧れの職業に携わることができる

女性ならではの憧れの求人には下記のようなお仕事があります。

・アパレル、コスメの販売員
季節ごとに新商品やキャンペーンが実施されるアパレル、コスメの販売は女性なら1度は憧れる仕事ではないでしょうか。仕事内容は、商品の陳列、バックヤードのお仕事、接客の補助などがメインになります。
単発と言ってもブランドによってはある程度の商品知識が要るため、研修が行われることもあるようです。
・受付や案内業務
イベントの受付、マンションギャラリーの受付、セレブを対象としたパーティーの受付・案内など、女性が行うイメージのある仕事は、販売や接客などの経験があればチャレンジしやすいでしょう。来客対応などのコミュニケーションスキルがあればなお良いです。受付業務は上記に挙げた「特殊な職種」に当てはまりますので、1日の単発ができる職種です。
・イベントコンパニオン
イベントコンパニオンは単発派遣アルバイトの中でも高収入が見込める職種です。採用基準として、接客スキル、顔やスタイルまで求められることがほとんどです。イベントコンパニオン業務の魅力は日給が高い点ですので、自分の容姿や対人印象に自信がある方は採用が決まりやすいでしょう。イベントコンパニオン業務も「特殊な職種」に当てはまりますので、1日の単発ができる職種です。

一人での作業で自己完結できるストレスが少ない仕事がある

ExcelやWordなど、PCスキルを持つことが前提で、顧客情報やアンケートの集計、問合せデータの集計などの求人があります。PCスキルがそれなりにあれば未経験でも採用されることも多いようです。データの入力は正確性とスピードも求められます。これらの仕事は単純作業でマニュアルがしっかりある場合が多いため、他の人とのコミュニケーションをほとんど必要としません。よって人間関係のストレスはかなり軽減されるでしょう。

また、男性の単発派遣では警備員のお仕事もあります。夜間1人での巡回などに抵抗がない方は、人間関係のストレスもなく、深夜警備の場合は時給も高めでお勧めです。

働いたお給料をその日にもらえることもある

「急に出費があった」「緊急でお金が必要!」などどうしても早くお金が必要な場合、単発派遣の中には日払い対応をしてもらえるケースがあります。このような状況で単発の派遣を探している方は、日払いに対応している派遣先を探しましょう。

希望の職種に日払い制度が設けられていない場合は、日払いの交渉が可能かどうか派遣元企業に確認してみるのも良いでしょう。

転職活動のつなぎとして働ける

転職活動をしている方は、単発アルバイトだけでなく単発派遣を検討してみるのも良いでしょう。もし転職活動が短期間で終わりそうな場合は、上記に挙げた「特殊な職種で1日の単発がOKな求人」を中心に探してみてはいかがでしょうか。

いろいろな職場を体験できて社会勉強ができる

単発派遣はいろいろな職場を体験することができ、社交的な方であれば人脈作りにも役立つでしょう。もし興味がある業界や職種が決まっているのであれば、さまざまな職場を経験し将来やりたい仕事に就く手段として活用できるでしょう。

単発派遣で働きたいと思ったら

ここまでで単発派遣で働ける条件やメリットをご紹介してきましたが、単発派遣で働くためには派遣会社に登録し、仕事の紹介を受ける必要があります。その手順をご紹介していきます。

単発派遣案件を扱っているか確認

派遣会社によっては、取り扱う仕事の業界を限定していたり、長期的に働く派遣の仕事のみを扱っている会社もあります。単発派遣で働きたいと考えている期間での仕事を取り扱っているか、事前に確認しておきましょう。
求人情報が載っているページから確認することもできますし、もし不安であれば登録前に電話かwebで問い合わせておくと安心です。

派遣会社へ登録

単発派遣を扱っている派遣会社が見つかったら、早速派遣会社に登録しましょう。派遣の仕事に少しでも興味があれば、まずは登録だけでもしておくことをおすすめします。なぜなら、今すぐに働かなくても、派遣の仕事は登録者の方のみに紹介されるものなので、自分にとって良条件の仕事が入ってきたときにすぐに応募することができるからです。派遣会社に登録は無料です。
派遣会社に登録する際には、プロフィール入力、スキル確認、派遣会社の担当者との面談等が行われます。仕事内容によってはスキルが求められる場合もありますので、履歴書や職務経歴書は必要ありませんが、ご自身の経験や保有するスキルについて話せるようにしておく方が良いでしょう。

派遣会社への登録手順について詳しく知りたい方は「派遣会社への登録手順を解説!面談・面接から就職までの流れや注意点とは」をご覧ください。

まとめ

単発の派遣を始める前に知っておいたほうがいい情報をご紹介してきましたが、いかがでしたか? 単発の派遣ができる条件を満たしているのであれば、ご自身の条件にあった仕事が見つけやすいでしょう。今回ご紹介した内容にピンときたのであれば、一度どんな求人があるのか調べてみることをおすすめします。

参考サイト: