派遣で働き始めるときに、気になるのはやっぱり収入のこと。
はたして派遣社員はどのくらいの年収を稼いでいるのでしょうか。
この記事では厚生労働省による『平成30年度の労働者派遣事業報告書』の統計結果をもとに、派遣社員の平均年収について詳しく調べました。
あわせて、収入アップを図るコツについてご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 派遣社員の年収相場は知ってる?仕事を決める前にまずは給料の相場を知りましょう
- 正社員と比べると派遣社員の給料は低いと思われがちですが、働いた分、給料が増えるので、働き方によっては正社員よりも高くなることがあります。
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目次
派遣社員の平均年収や月収を知るには?
派遣社員の平均年収や月収を知るにはどうしたらいいのでしょうか。
その方法として、厚生労働省が発表している『労働者派遣事業報告書』の集計結果を活用することができます。
この数字をもとに派遣社員の平均年収を算出することが可能です。
派遣社員の平均年収はどれくらい?
平成30年度の労働者派遣事業報告書によると、平成29年度の一般派遣労働者の1日あたり(8時間)の平均賃金は13,831円です。
これに対し、特定派遣労働者の賃金は16,265円となっています。
土・日・祝日の休みと、年末休暇などを合計した日は120日前後と言われているので、仮に休日を125日とします。
365日から125日を引いたら、年間労働日数は240日と考えられるでしょう。
これをもとに平均年収を算出すると以下のとおりです。
- 【平成29年度】
- 一般派遣労働者……331.9万円
- 特定派遣労働者……390.4万円
- 一般派遣労働者……357.3万円
- 特定派遣労働者……廃止のため記録なし
【平成30年度】
ただし、上記の結果は、地域や業種によって異なります。
株式会社リクルートジョブズが実施した『派遣スタッフ募集時平均時給調査』(令和2年5月度)によると、関東、東海、関西の3大都市圏の平均時給は1,695円。
この数字に基づいて月収(1日8時間×22日)に換算した場合、298,320円になります。
こうして見ると、派遣社員の収入は意外と多いと感じる人も多いでしょう。
「一般派遣」と「特定派遣」の違いとは?
上記で出てくる一般派遣労働者と特定派遣労働者とは、どのような違いがあるのでしょうか。
特定派遣とは、派遣会社に無期雇用の正社員として雇われて、派遣先企業で働くスタイルです。
仕事の有無に関わらず給料が支払われ、ボーナスや交通費が支給されることも多いようです。
ただし特定派遣は、平成27年9月30日施行の労働者派遣法改正法により廃止され、3年間の猶予期間が終了する平成30年9月29日をもって完全に撤廃されました。
これに対して、一般派遣は「登録型派遣」と呼ばれているものです。
派遣社員として派遣会社と契約を結び、派遣先の企業が決まったときにだけ雇用が発生します。
給料が発生するのは就業期間のみで、時給制を採用しているところがほとんどです。
正社員の年収と比較したら、どのくらい差がある?
国税庁がまとめた『平成30年分民間給与実態統計調査結果』によれば、正規社員(正社員)の平均年収は約504万円で、非正規社員は約179万円でした。
ちなみに、非正規社員にはパートやアルバイトなどが含まれているので、正社員と比較するとかなり差がある印象を受けるかもしれません。
先ほど算出した派遣労働者の年収、357.3万円と比べても、147万円ほどの差があることがわかります。
時給ベースで考えると、派遣社員と正社員の収入の差はあまり大きくありません。
なかには、正社員よりも高くなるケースもあるようです。
しかし、正社員にはボーナスや各種手当が支給されるため、年収で考えるとどうしても大きな差が生じてしまいます。
ただ、派遣社員には年収以外のメリットもたくさんあります。
それぞれのライフスタイルや状況に応じて、柔軟な働き方ができるのも派遣社員ならではの魅力です。
多少年収がダウンしてもプライベートを充実したい、ストレスから解放されて働きたい、などと考えているのであれば、正社員との年収差はそれほどネックにならないでしょう。
年収以外の派遣で働くメリット
派遣社員と正社員で年収がさほど変わらないのであれば、安定している正社員の方が良いのでは?と思われるかもしれません。
ですが、派遣ならではのメリットもあります。
ここからは、派遣社員として働くメリットを紹介していきます。
また、こちらの「派遣社員とは?働き方や正社員との違い、メリット・デメリットなど解説」でもメリットだけでなく、派遣社員としての働き方についても紹介しているので、あわせてご覧ください。
自分の希望する仕事が選べる
派遣で働く大きなメリットの1つが、自分の希望する条件に合わせて仕事が選べることです。
「英語を生かした仕事をしたい」「家の近くで働きたい」などと考えている場合、その条件を満たした職場で働くことができます。
しかも、業務内容の範囲が定められているので、規定以外の仕事をする必要がありません。
正社員であれば自分が好きな仕事だけをするのは難しいことです。
上司の手伝いや雑用も率先してやる必要があります。
結婚や出産などのライフイベントに合わせて働ける
派遣社員の場合、雇用期間を決めて働くことができるため、結婚や妊娠、出産などのライフイベントに合わせて計画的に働くことが可能です。
短時間勤務も可能なので、仕事と家庭を両立しながらキャリアアップも実現できるでしょう。
憧れの企業で働いて経験を積むことができる
正社員では入社が難しい憧れの企業も、派遣社員であれば就業することができます。
実際に働いて経験を積むことで、ゆくゆくは希望する会社に正社員として採用される可能性もあります。
人間関係のわずらわしさが少ない
正社員と違ってずっと同じ会社で働くわけではありません。
そのため、人間関係でそれほど悩む必要はないでしょう。
他人に余計な気を使いたくない、わずらわしい人間関係から解放されたい人にとっては、楽な働き方と言えます。
派遣の仕事で年収の高い業種は?
同じ派遣の仕事でも、業種によって年収に差があります。
職種別、一般派遣労働者の平均賃金ベスト10は以下のとおりです。
ベスト1になったセールスエンジニアの営業の賃金を年収に換算すると約395万円で、正社員の賃金に決して引けをとらない金額となっています。
職種 | 1日あたりの賃金 |
---|---|
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 | 23,919円 |
法人・団体管理職員 | 18,977円 |
情報処理・通信技術者 | 18,930円 |
建築・土木・測量技術者 | 18,492円 |
電気工事従事者 | 17,387円 |
建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 16,466円 |
法務従事者 | 15,672円 |
製造技術者 | 15,464円 |
音楽家、舞台芸術家 | 15,446円 |
教員 | 15,390円 |
(厚生労働省『平成30年度労働者派遣事業報告書の集計結果』より)
上記の結果から、専門スキルや特殊な知識を要する仕事は年収が高い傾向にあることがわかります。
反対に、特殊な資格を必要としない一般事務や接客業、サービス業などは、いずれもランクインしていません。
派遣社員として収入アップを図るためにやるべきこと
では、実際に収入を上げるためにはどうすれば良いのか。
ここでは、有効的と思われる3つの方法をご紹介します。
自身のスキルアップ
年収の高い業種の統計からもわかるように、派遣社員であっても専門的なスキルがあれば、正社員以上の賃金を稼ぐことも可能です。
つまり、専門的な技術や資格を身につける努力をすることが、収入アップの近道と言えるでしょう。
派遣は不安定な雇用とされていますが、企業に求められる人材になれるようスキルアップを目指せば、安定した環境で働きながらしっかり収入を確保することも可能なのです。
派遣の仕事はサービス残業がなく、飲み会や懇親会への参加も強制されないので、比較的自分の時間を作りやすい環境です。
空いた時間を利用して勉強すれば、資格を取得することもできます。派遣で働きながらスキルアップを図ることで、仕事の幅が広がり、ひいては年収アップにつながるでしょう。
経験を重ねて自信をつける
関係ないと思われがちですが、経験を積むことで自分に自信がつくことは仕事のスキルにも繋がります。
自分ができる仕事に対して自信が付と仕事への意欲が増し、もっと学んでスキルアップを目指そうという気持ちになれます。
また、自信をつけると自身の雰囲気も変わります。
そのため、職場の人から「この人になら仕事を任せられそうだ」と思われるようになり、頼られる存在となっていきます。
そうなると、周りから評価されている実感を得られ、人として成長することができるのです。
同じ職種でより時給が高いところを選ぶ
もし、今働いている会社で給料に不満がある場合は、そういったことも派遣会社に相談をしてみましょう。
契約更新時に給料の相談や契約満了のタイミングでより高い時給の会社を提案してくれます。
ですが、給料が良い会社は、その分できることを要求する場合が多くあります。
自分ができる仕事量やスキルなどを派遣会社の担当者と話し合い、無理のない条件内で仕事を探しましょう。
派遣社員から正社員を目指すのもアリ
どれだけスキルを上げても、時給が高い仕事に就いても、仕事によってはどれだけ働いてもやはり正社員よりも低い年収になる傾向にあります。
そのため、ある程度仕事に自信がついてきたら正社員を目指したいと思う方もいるでしょう。
派遣社員から正社員になるためには、以下の方法があります。
- 派遣先企業で正社員登用してもらう
- 派遣社員を辞めて正社員での仕事を探す
- 紹介予定派遣制度を利用する
収入や仕事などの安定性や、社会保険や福利厚生の充実さが良いことが正社員のメリットの1つです。
ですが、仕事で時間を拘束されるなどの自由さが減ってしまいます。
自分に合う働き方は派遣社員なのか正社員なのか、しっかりと見極めて選んでいきましょう。
派遣社員から正社員になる方法については、こちらの「派遣社員から正社員になるには?派遣で働きながら正社員を目指す方法」をご覧ください。
まとめ
厚生労働省が発表した『平成30年度の労働者派遣事業報告書』によると、一般派遣の平均年収は357.3万円で、正社員と比較すると147万円ほどの格差があります。
しかし、この結果はあくまで平均値であり、業種によっては正社員と同等またはそれ以上の収入を得ることができます。
年収アップを目指すのであれば、専門的なスキルや資格を身につけ、企業に必要とされる人材になることが大切です。
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参考サイト
- 平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果|厚生労働省
- 平成30年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
- 2020年5月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査|リクルートジョブズ
- 特定派遣廃止の影響とその対応について|ニアショア機構
- 高い給料をもらえる仕事をしたいなら派遣でスキルや経験を積むことが大切です
- 高給料や良い条件で働くには、自分のスキルアップや経験を積む必要があります。
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