専門26業務ってなに?派遣法改正で押さえておきたいポイントを紹介

みなさんは「専門26業種」という言葉を聞いたことはありますか2015年の派遣法改正の際に大きく話題になったので、「耳にしたことはある」という方も多いかもしれません。専門26業種とは担当する人のスキル、経験、感性などにより完成するものが変わってくる専門性の高い仕事のことを指します今回はそんな「専門26業種」について詳しく解説します。 

専門26業種とは? 

専門26業種とは専門性の高い仕事といえます。担当する人のスキルや経験、感性などによりどのようなものが完成するか変わってくる仕事です。 

例えば、同じ内容のデザインをオーダーしたとしても、それぞれのデザイナーが持っている技術や知識、受けとり方や捉え方により仕上がるものは変わってきます。個々が持っている、スキルや経験によって完成品が大きく左右されてしまうような仕事を「専門性の高い仕事」と指します。 

専門26業種にはどんな仕事が含まれているの?

派遣の専門26業種としては以下の仕事が指定されています。 

  • ソフトウェア開発 
  • 機械設計 
  • 放送機器等操作   
  • 放送番組等演出 
  • 事務用機器操作 
  • 翻訳・通訳・速記 
  • 秘書 
  • ファイリング 
  • 調査 
  • 財務処理 
  • 取引文書作成 
  • デモンストレーション 
  • 添乗   
  • 建築物清掃 
  • 建築設備運転点検 
  • 整備 
  • 案内・受付、駐車場管理等 
  • 研究開発  
  • 事業の実施体制等の企画・立案 
  • 書籍等の制作・編集 
  • 広告デザイン 
  • インテリアコーディネーター 
  • アナウンサー 
  • OAインストラクション 
  • テレマーケティングの営業 
  • セールスエンジニアリングの営業 
  • 金融商品の営業 
  • 放送番組等における大道具・小道具スタッフ 

 

※2012年10月に区分けが変更となり現在は28業務となっていますが、26業務という通称が浸透しています。 

2015年の派遣法改正により変わったこと 

一般的に派遣社員の雇用契約は3ヶ月・6ヶ月など一定の期間で結ばれ、契約期間毎に更新を行います。派遣法では派遣社員を同じ雇用先に受け入れられる期間は最長3年間と定められ、3年を超えるとそれ以降は契約を更新することができません。 

派遣法改正前は、専門知識や技術などのスキルを要する専門26業種に該当する仕事は、例外として最長3年間というルールが設けられていませんでした。3ヶ月・6ヶ月など一定の期間で雇用契約を結ぶ派遣ですが、派遣法では派遣社員を受け入れられる期間は最長3年間と決まっています。 

しかし2015年の派遣法の改正により、このルールは廃止されました。専門26業種であっても雇用契約に期間が3年を超えたら受け入れてはいけないということになったのです。業種関係なく雇用契約の期間は3年に統一されました。廃止になった背景として、3つの理由があります。 

  • 専門26業務が他の業務と比較すると、専門性が明らかに高いと言えなくなった 
  • そもそも職種によって雇用期間が異なる制度が分かりにくい 
  • 雇用期間の制限がない為、半永久的に派遣社員を雇用することができてしまう 

 

また、派遣法改正前には専門26業務に該当しないような一般事務の仕事なども、契約を交わす際に書類上では「専門26業務に該当する」として、派遣社員を不当に無期限に雇用するという不正を行っている派遣会社もありました。 

一見、派遣社員側にとっても無期限に雇用されるのでメリットと感じるかもしれません。しかし、現状は無期雇用をされているわけではないので長期で雇用されたとしても、専門26業種で働く派遣社員の雇用の安定には繋がっていませんでした。 

今後の派遣の働き方はどうなる?

では専門26業種で働いていた人たちは今後どのようになるのでしょうか? 

2015年の派遣法の改正時に、専門26業種で働いていた人たちの最終的な雇用期限は、2018年9月30日と定められました。このタイミングで、派遣先企業と直接契約を結び正社員または契約社員になるか、または派遣会社の無期雇用派遣社員として契約すれば問題はありません。  

しかし、専門26業種で働くすべての人が派遣先企業と直接雇用に切り替えたり、派遣会社と無期雇用契約に切り替えたりできるとは限りません。このタイミングで一時的に職を失ってしまう人が出てくる可能性もあるのです。 

派遣社員の雇用と生活の安定化に向けた取り組み 

派遣法改正では、派遣社員としての就業は臨時的・一時的なものであることを原則とする考え方が明確化され、同時に派遣社員の雇用と生活の安定化を促すような内容も盛り込まれました。 

また派遣会社は、3年の契約が満了になる段階で、以下の様な措置をとる事を求められています。 

  • 派遣先への直接雇用の依頼 
  • 新たな就業機会(派遣先)の提供 
  • 派遣労働者以外の無期雇用労働者としての雇用機会の確保とその機会の提供 
  • 教育訓練やその他雇用の安定を図るために必要な措置(『紹介予定派遣』等) 

 

これにより、派遣社員の雇用と生活の安定が図られるようになっています。よって、派遣会社は、今まで専門26業種の人材を雇用していた派遣先企業に、雇用形態を直接雇用(正社員や契約社員)へ切り替えるよう依頼することや、紹介予定派遣などで派遣社員がより安定した雇用形態で働けるように努力する義務が生まれました。 

もちろん派遣社員が今後の働き方を選択することができます。 

例えば、今後も派遣社員として働きたいのか、直接雇用に切り替えて安定して働きたいのかなどそれぞれ希望する条件は異なります。派遣会社には派遣社員からの相談に対して少しでも希望に沿った労働環境を紹介できるよう努力義務があります。 

現行の派遣法では専門26業種もその他の仕事も上限3年という同じルールで運用されるようになりました。派遣法はその時その時によって変化していくので、今後も市場に合わせて改正される可能性があります。これまでの派遣の働き方、立ち位置などを知っておけば、これから先の派遣社員のあり方を考えるのにも役立ちます。 

どの業務に関しても雇用期間は3年と制限された 

専門26業種が廃止されて、どの職種でも同じ派遣先の同じ組織(部署)で働く事が出来る期間は最長3年間です。 

しかし、就業から3年後、同じ派遣先でも異なる組織(部署)に異動すれば、引き続き雇用契約を結ぶことが可能です。このルールがあるので、同じ業務でキャリアを積みたいのであれば新たな派遣先へ、同じ派遣先で違う業務を経験してキャリアを積みたいのであれば別の部署へ異動など、派遣社員の選択の幅が広がります。 

まとめ 

今まで無制限だった専門26業種ですが最長3年間という雇用期限がつく事により、考え方を変えるとたくさんの派遣先で経験を積めるようになるというところがメリットになります。また3年の契約が満了になる段階で、希望をすれば派遣会社が、派遣先企業に直接雇用の打診を行ってくれるのも心強いのではないでしょうか。 

その他にも派遣会社の無期雇用派遣や紹介予定派遣を利用することもできます。専門26業種で働いている人にとっては、今まで契約の期限なく働いていたものが契約の期限が明確になり不安に感じたという人も多いと思います。しかし、結果的には直接雇用を目指せるので雇用や生活の安定に繋がっています。派遣法改正に伴う専門26業種の廃止をプラスに捉えてみてはいかがでしょうか?

参考サイト: