現役接客業ブロガーに聞く 「クレーム対応で心を病む前に知っておいてほしい3つのこと」

こんにちは。今現在も携帯ショップで働いている、現役接客業ブロガーの貫洞(かんどう)です。

今回は、接客業をしているとどうしても付きまとう「クレーム対応」について書きます。わたしには、クレームが怖くて接客業を楽しめなかった時期があります。どうやってそこを乗り越えたのか、乗り越えた後にどんな世界が見えたのかをお伝えします。

まずは、クレーム対応を乗り越えるコツをお伝えします。

1.自分に否が無い場合は「申し訳ありません」ではなく「失礼いたしました」

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携帯ショップで働いていると、自分が原因ではない多くのクレームに遭遇します。「なんだかわからないけど毎月の料金が高い」「スマホの調子が悪い」などです。こういうお客様で、声が大きかったり態度が荒っぽかったりすると、ちょっと対応するのが怖くなることもあります。

そんなときに使える良いフレーズがあります。

「ご迷惑をおかけしていること、失礼いたしました」
続けてこう言います。
「わたしの方でできることはすべて対応させていただきますので、お困りの点を教えていただけますか?」

ポイントは、平謝りをしないことです。お客様が求めているのは不満の解消です。必要なのは謝罪の一生懸命さではなく、迅速な手続きとわかりやすい説明であることがほとんどです。

実際「毎月の料金が高い」のお客様には、料金プランを見直して、通話が多ければかけ放題のプランに切り替えたり、データ通信量が足りていなければ、wi-fiルータを併用していただいたりする提案をすることで解決します。

「スマホの調子が悪い」のお客様に対しては、起動中のアプリが多すぎないかを確認したり、スマホの使い方そのものを一緒に考えると、最適解が見えてきます。それは「機種変更」や「修理」です。どれも普通に案内して対応すればお客様の不満は解消されます。謝罪ではなく、お困りごとを解消する意識で普通に対応すると、お客様も喜んでくれます。

上記とは違って、自分の案内ミスなどのクレームの場合は速やかに謝罪しましょう。自分のミスでお客様に迷惑をかけたのですから、誠心誠意謝る。お客様も人間ですから、担当者が即謝ってくれたら怒りが収まることが多いです。

2.クレームを受けることを「データ集め」だと思う

わたしはクレームに対応することを「データ集め」だと思っています。前回こんなふうに対応して、この部分で怒らせてしまったから、今回はこの部分で言い方を変えてみよう…という風に、データを取って接客に取り入れるのです。

実際、クレームは受けた回数分だけ対応力が上がります。重要なのは、「自分は仕事だからここにいてこの怒鳴る人の対応をしているだけで、本当の自分は家にいる」というある種の割り切りです。常に「第三者としての視点」を持って対応をするのです。

参考までに、大きな声を出すお客様に対して有効なのは、自分も大きな声で対応することです。丁寧な言葉遣いは崩さずに、大きめの声で対応をします。こちらが大きな声にひるんでいないことを伝え、お客様の声が大きいことに気づいてもらいます。これもデータを取っているうちに気づきました。試してみてくださいね。

3.休日を自分の好きに過ごす

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これは環境的に難しい方もいると思いますが、人の心の容積はある程度決まっていて、悩みや不満が一定以上溜まると、吐き出さなければ次の悩みを受け入れられなくなっています。接客業は、精神的に疲れる仕事です。休日は好きなことをして過ごしたり、本を読んだり映画を観たりして本来の自分を取り戻すことで、容積を空けて次の勤務にのぞめます。

ちなみに、とても接客に慣れて、クレーム対応もサラリとこなせるようになってくると、空いた容積の分を埋めたくなるものです。仕事に慣れて心に余裕ができ、語学を勉強したり、朝晩スポーツをしたりと生活が充実している方をたくさん見てきました。仕事中はきれいに応対して、プライベートも充実していて素敵でした。

転職した友人もいます。何年も続けた接客業を離れた今でも「携帯ショップの仕事、楽しかったなあ」と思い出す笑顔は昔のままでした。経験を自分の力に変えられる人は強いなあと思いました。

わたしはお客様に対して必要以上に低姿勢になることをやめました

わたしは接客業を始めて間もない頃に「あなたの言い方は生意気だわ」「お前の説明は下手くそだ! いい歳して仕事もろくに出来ないって最低だな」等言われてしまい(実際ここに書けないレベルのことも言われています)、胃を壊して何も食べられなくなってしまったことがありました。吐き気止めの薬を毎日飲んで出勤していました。慢性胃炎となり、口臭がひどかったそうです。

こんなにしんどい仕事はやめてしまおうか…何度もそう思いました。

人と話さなくて済む仕事の求人を見て休日が終わっていました。誰とも会いたくないし、誰にもわたしの気持ちはわからないと思っていました。接客がつらすぎて、完全にまいっていました。

あのとき辞めていても、別の人生が拓けていたと思います。しかし、何とか踏みとどまってまだ接客業を続けている人生がここにあります。今は接客業がつらくて悩むことはありません。(覚えることが多くてきついことはあります)

最近、お客様に対して必要以上に低姿勢になることをやめました。自分が店員だから謝らなくてはならない、ということは無いのです。お客様の考えをしっかりと聞き、人対人で互いに礼節を持って接する。そして時にはフレンドリーに接して楽しい時間を共有し、商品を購入していただいたり、自分の担当顧客になってもらうのが接客業の醍醐味です。仕事を覚えるまでは大変で、仕事を覚えてからも大変ですが、人対人の近距離戦に強くなれば有利になることはたくさんあります。

おわりに

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クレームで精神を病んだことがあるわたしですが、これから接客業をする方には、そんな思いをしてほしくないと思っています。ですが、もし思い悩むことがあったとしても、そのつらい時期は確実に自分の力になるということを知っておいてほしいと思いました。

接客業がつらいという人に話を聞くと「こんな仕事を続けても何にもならない」と思う人が多いようです。しかしその悩んだ時間こそが、何物にも代え難い「経験」です。無理をしすぎずに、腐らずに、頑張っていきましょうね。

筆者:貫洞沙織(かんどう・さおり)
ケイ・ソリューションズ株式会社 代表
接客業歴15年以上
ブログ:
http://www.kandosaori.com/entry/2016/02/12/073000

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