COBOLエンジニアに転職するには? 必要なスキルや平均年収を解説

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この記事でわかること

  • そもそもCOBOLエンジニアとはどのようなものか
  • COBOLエンジニアへの転職を成功させるために必要なスキル
  • COBOLエンジニアに転職する方法と転職後のキャリアパス
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
上松 大輝

過去に4年ほど、SEとしてシステム開発やネットワーク構築業務に従事。その後、エンジニアの転職を支援するウィルオブテックで求職者さまのキャリア支援を担当。過去のエンジニア経験を活かし、現場感に沿った具体的なキャリアの提案が得意。

昨今ではアプリケーションソフトの開発などでエンジニアの需要が高まっています。しかし転職を考えても、何を基準にすればよいかお悩みの方も多いことでしょう。

本記事ではプログラミング言語「COBOL」に内容を絞って、COBOLエンジニアに転職するための必要なスキルや平均年収のほか、転職で有利になる資格についても併せてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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COBOLエンジニアとは

「COBOLエンジニア」とはその名の通り、プログラミング言語「COBOL」を扱うエンジニアを指します。

「COBOL」は、1959年に事務処理用として開発されたプログラミング言語です。大容量のデータを迅速に処理できる能力のほか、WindowsやMac OSなどさまざまなOSに対応できる拡張性の高さ、シンプルなコードに由来する可読性の高さ、数々のシステム開発実績を残している信頼性の高さが、大きな特長です。

さらに構文が単純で理解しやすいことから、英語をある程度読める人であれば習得しやすい点も魅力的です。

このCOBOLには、汎用機と呼ばれる大型コンピュータを用いてデータ移動や集計・計算を実現するための「汎用COBOL」と、さまざまな環境下で開放的なシステム開発を行う「OPEN COBOL」の2種類があります。

前者には「IBM COBOL」「日立COBOL」が、後者には「UNIX-COBOL」「Net COBOL」などがあるので、こちらも押さえておきましょう。

90年代以降、RubyやPHP、Pythonなどの登場によりシステム開発に用いられる言語は細分化されましたが、その中でも歴史の長いCOBOLは現在でも金融や保険業界、官公庁でのシステム開発で一定の存在感を放っています。COBOLエンジニアになれば、これらの業界でのサーバー開発を担える機会も増えるでしょう。

COBOLエンジニアの需要

COBOLは安定的に稼働する言語として評価されており、金融・保険・官公庁などではCOBOLを用いたシステム開発が行われているため、今後も需要があると考えられます。

ただし、新規のプロジェクトでCOBOLが用いられることは少なく、任せられる案件は主にシステムの保守・運営といったプロジェクトが多くなる傾向があります。

そのため、COBOLエンジニアは一度案件を受注できれば、一定期間に渡る仕事を獲得しやすいメリットがあります。一方で、現在ではCOBOLエンジニアの高齢化に伴う人手不足が問題視されており、COBOLエンジニアの確保がどの業界でも困難なのも事実です。

現在は「売り手市場」と言えるので、COBOLエンジニアへの転職は、今が大きなチャンスと言ってよいでしょう。

COBOLエンジニアの平均年収

企業や業務内容によって異なりますが、COBOLエンジニアの平均年収は400~600万円程度です。

エンジニア全体で見れば特別年収が高い方ではありませんが、上流工程の経験やリーダー経験などがあれば600万円以上の年収も期待できます。

また、COBOLは金融や保険業界などといった給与ベースの高い企業が求人を出している場合も多いため、比較的年収を上げやすい点も特徴のひとつです。

参照元:Indeed「COBOLエンジニア」「COBOLエンジニアの給与

COBOLエンジニアの仕事内容

COBOLエンジニアの仕事内容は、主に業務システムや業務系アプリの開発や、システム移行などです。そのほか、保守業務であるトラブル対応やシステムテスト、ユーザーへの支援作業を行う場合もあります。

前でも少し触れましたが、COBOLという言語の持つ長所として、その長い歴史による信頼性や、高速なバッチ処理にも対応できる高いデータ処理能力、可読性の高さからくる保守のしやすさ、Windows、mac OS、Linuxなどの対応OSの種類の多さがあげられます。

その特徴もあって、COBOLエンジニアは金融系や官公庁、大型ECサイト構築のような多岐にわたるプロジェクトへ参画することが多いため、チームワークが求められる場面がほとんどです。個人のスキルとしては、COBOL以外にVB.NETやJava、SQLなどといったプログラミング言語の知識が求められます。

▼COBOLについては
こちらのCOBOLの将来性は? 特徴や今後エンジニアが身につけるべき知識を紹介でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

COBOLエンジニアの求人例

ここではあくまで一例にはなりますが、COBOLエンジニアの求人例を紹介していきます。
●一例目

【業務内容】
・多岐にわたる業界・業種のシステム開発やWebアプリケーション開発
業務系システム開発:
通信インフラ系、官公庁系、金融系、生損保系 他
【待遇/条件】
・月給 40万円~50万円
・雇用形態 業務委託
【必要なスキル・経験】
・金融系の開発経験
・COBOLでの開発経験
【歓迎条件】
・国際勘定系の開発経験
・オープン系COBOLの経験

●二例目

【業務内容】
主な業務は汎用系システムの開発・保守
【待遇/条件】
・月給 300万円 ~ 550万円
・雇用形態 正社員
【必要なスキル・経験】
・汎用系システムの開発または保守経験
【歓迎条件】
・客先常駐の経験
・サブリーダー以上の経験
・オープン系の開発経験

COBOLは金融や保険業界のシステム開発・運用保守などに利用されていることが多く、COBOLの求人には大手企業からの求人やプロジェクトリーダーを目指せるような求人も見られることから、まだまだ根強いニーズがあると考えられます。

COBOLエンジニアの求人数は他の言語に比べると少ないですが、収入面や働き方に安定を求める方にとっては、非常に好条件の求人です。

COBOLエンジニアへの転職を成功させるために必要なスキル

COBOLエンジニアへの転職を成功させるために必要なスキル
COBOLエンジニアへの転職を成功させるために、特に必要なスキルは以下の3つです。

金融や保険に関する知識

COBOLは金融や保険業界などのシステムで使用されていることが多いため、これらの業界知識を身に付けていることは大きな強みとなります。

また、業界知識を身に付けておけば「なぜこの仕様なのか」「ここはこうあるべきではないか」などのポイントを考えながら業務に取り組めるため、仕事をより効率的に進められるでしょう。

マネジメントを行うためのスキル

COBOLエンジニアはチーム単位での業務が多いため、マネジメントスキルが必要となる場面にも出くわします。

マネジメントスキルの具体例としては、プロジェクトのタスク管理やトラブル対応などが挙げられますが、特に大型案件となるとトラブル対応のスキルが重要視されます。トラブル対応の経験が豊富なほど、転職市場でも一定の評価を受けるでしょう。

また、プロジェクトは複数名で構成されることから、チームメンバーに対する指示、サポートなどが細かく行えるスキルがあると、さらなる高評価を受けやすくなります。プロジェクトの工程全体を見渡してマネジメントするプロジェクトマネージャの経験があれば尚更です。

業務外でマネジメントスキルを身に付けたい方は「プロジェクトマネージャ試験」という試験もあるため、ぜひチェックしてみてください。
当試験では、プロジェクトマネージャとして必要なスケジュール、品質管理などに関する知識を深めることができます。

COBOL以外の言語を扱えるスキル

システム開発において、COBOL単体で開発などを行うことはまれです。今後のキャリアも含めて考えると、COBOLだけでなくJavaやVB.NET、SQLUNIXなどのプログラミング言語も扱えるようになると、エンジニアとしての市場価値を確実に高めることができます。

例えばCOBOLに加えてJavaを扱えるようになれば、COBOLからJavaマイグレーションへの移行作業を担当できるようになるため、仕事の幅が大きく広がるでしょう。

ほかにも、C言語はCOBOLと同様歴史が長く、幅広い分野で使用されているプログラミング言語です。アプリ開発にも用いられるため、C言語の習得もおすすめです。

しかし、JavaやVB.NET、C言語といったプログラミング言語はCOBOLに比べ複雑で、習得までの時間がかかることが予想されます。独学で習得する場合は書籍やオンラインの学習サイトなどを活用しながら、じっくり腰を据えて長期的に学習するようにしましょう。

また、独学で進めるのが不安な方はスクール受講なども併せて検討してみてください。

▼言語「Java」については
こちらのJavaの将来性は今でも高い?Javaエンジニアに必要なスキルも紹介でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

COBOLエンジニアへの転職が有利になる資格

COBOLエンジニアへの転職が有利になる資格には、以下の3つがあります。

知識と応用力を証明する応用情報技術者試験

応用情報技術者試験とは基本情報技術者試験の上位資格で、COBOLやプロジェクトマネージャを始めとしたITに関する幅広い分野の知識を深く身に付けることができます。

また、応用情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構が主催し、経済産業大臣が認定する国家資格です。そのため、取得できればCOBOLエンジニアとしての転職活動で優位に立てることが期待できます。

また、応用情報技術者試験に合格すると、情報処理技術者試験の高度試験や情報処理安全確保支援士試験の一部などが免除されるといったメリットもあります。

上流工程を経験したい人向けのシステムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験とは経済産業省が認定するIT国家資格で、情報システム、組み込みシステム、IoT関連などの知識やスキルを証明できます。

システムアーキテクト試験では「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」などのような上流工程に関する知識が幅広く問われます。それゆえに、転職後に上流工程を経験したい方にはおすすめの資格です。

しかし、令和元年秋季のシステムアーキテクト試験の合格率は15.3%となっていることからもわかる通り、合格へのハードルは高い試験でもあります。そのため、こまめに時間を確保しながら効率的に勉強する必要があります。

データベースの扱いに慣れたい人向けのオラクルマスター

オラクルマスターとは、日本オラクル社が提供している資格で「Oracle Database」シリーズに関する技術力を認定します。オラクルマスターに合格できれば、データベースの知識が身に付くことはもちろん、Oracle Databaseの技術力の高さを対外的に証明できます。

COBOLはデータベースと連携させながらシステム構築をすることが多いため、実務でも役立つことが期待できます。

COBOLエンジニアへ転職する方法

COBOLエンジニアへの転職には、各種求人サイトや転職エージェントを利用する方法が挙げられますが、より確実に転職を叶えたい場合は、IT業界の転職に限定したエージェントの利用をおすすめします。

IT業界に限定したエージェントの場合、より確度の高いアドバイスを受けられるだけでなく、他のエージェントでは紹介されないレアな求人も紹介されることがあります。

また、自身にあった求人はどこで見つかるか分からないため、より多くの求人と出会うためにも転職エージェントは2~3社ほど登録した方がよいでしょう。

COBOLエンジニア転職後のキャリアパス

COBOLエンジニアは、他のエンジニアと同様に上流工程を目指しながらキャリアアップしていくことが一般的です。上流工程を経験した後は、その道のスペシャリストやマネージャーなどに転身します。

また、数は多くありませんがフリーランスとして活躍する方もいます。COBOLエンジニアには一定の需要があるため、実務経験が豊富にあればフリーランスでも仕事のオファーを確実に受けられるでしょう。

さらに、COBOLエンジニアは収入面や働き方に関しても好条件の求人が多いため、自分自身が希望するキャリアパスを見据えながら転職を実現することが可能です。COBOLエンジニアへの転職をお考えの方は、自身が目指すキャリアパスを綿密に考えながら、転職活動を進めてください。

まとめ

現在はCOBOLエンジニアの多くが定年退職を迎え、人手不足の状態であることから、COBOLエンジニアは今後も一定数の需要があります。さらに、COBOLは金融や保険業界といった給与ベースの高い企業が求人を出す場合も多く、比較的年収を上げやすいプログラミング言語でもあります。

ただし、近年の傾向ではマネジメントスキルやCOBOL以外のプログラミング言語に関する知識が求められているのも事実です。そのため、転職にあたってもしっかりとスキルアップの時間を確保する姿勢が肝要となります。

COBOLエンジニアへの転職を検討する場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを活用して転職活動の成功のきっかけをつかみましょう。

COBOLエンジニア転職の第一歩はウィルオブテックへ

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よくある質問

COBOLエンジニアへの転職のポイントはありますか?

はい。「金融や保険に関する知識」「マネジメントスキル」「COBOL以外の言語の知識」がポイントとしてあげられます。詳細は「COBOLエンジニアへの転職を成功させるために必要なスキル」で説明しているので確認ください。

COBOLエンジニアへの転職方法のコツはありますか?

はい。COBOLエンジニアへの転職には、各種求人サイトや転職エージェントを利用する方法が挙げられますが、より確実に転職を叶えたい場合は、IT業界の転職に限定したエージェントの利用をおすすめします。詳細は「COBOLエンジニアへ転職する方法」で説明しているので確認ください。

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