高度にIT化が進んでいる現代において、エンジニアの必要性が年々高まっています。
PHPエンジニアは、Webサイト開発などで多くの需要が期待できる仕事です。
本記事では、市場シェア率などから今後も安定が見込めるPHPエンジニアの仕事でステップアップするためにはどうするべきか、必要な知識を解説します。
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PHPエンジニアの転職市場における現状
PHPエンジニアの転職市場における現在の需要はどれほどなのか、今後どのような変化が予想されるのかについて解説します。
PHPの現在のシェア
調査サイトW3Techsは、Webサイトサーバー側プログラミング言語の世界市場において、2022年のPHPシェア率は77.5%、約8割を占めていると発表しました。
アプリやWebサービス開発用の新しい言語が次々登場するなか、Tiobeの調査結果でも2010年頃からPHPの需要が急激に下がっていることが確認できます。PHPの需要はこれまでよりも低下していると思う方も多いかもしれません。
しかし、元から多くの企業で使用されている言語でもあり、WordPressで使用される言語もPHPです。
前述のW3Techsの調査によると、Webサイトやブログなどのコンテンツ管理システムの世界市場シェアNo.1がWordPressで約65%のシェア率を誇ります。
WordPressは2位のShopify約7%とは10倍近くの差があり、今後急に使用されなくなるケースは基本的に考えられません。これらのことから、PHPも同様に安定した需要が続くと予想されます。
参照元:調査サイト「W3Techs」
参照元:Tiobe「PHPプログラミング言語」
PHPエンジニアの現在の需要
一時期に比べるとPHPエンジニアの求人数は減少傾向にありますが、現在の日本市場においてPHPエンジニアの求人数はまだまだ多く、求人情報専門検索エンジンINDEEDの求人数では2022年1月時点で8万件を超えています。
この求人数は開発言語の求人数中でも1位を占める多さです。
PHPエンジニアは、ECサイト、検索システム、企業のポータルサイトなどWebサービスの開発、業務システムの開発、ゲーム開発の現場などで幅広く採用されます。現在最も需要が多い言語の職種であり、突然募集が激減するなどの心配もほとんどありません。
参照元:PHP技術者認定機構「PHP、WordPress市場動向」
PHPエンジニアの今後の需要
さまざまな開発言語が誕生するなか、それでも案件の絶対数は多く、需要の多さは今後も続くと考えられます。前述のWordPressの例からも、WordPressの人気が変わらない限り、Webサービス関連での需要は高い状態が維持されるでしょう。
また、PHPはWebサイトやシステムの現場でも使用される開発言語です。すでに現在でも多数のシステムにPHPが用いられており、その保守、改修など、今後も多くの需要が見込まれます。
反面、PHPの人気の高さや学習のしやすさなどから、求人数に対して供給が満たされた状態でもあります。
転職や昇給を目指すなら、PHPエンジニアとして実務経験から得られる開発スキルのほかに、マネージャー経験や幅広い案件の経験、複数言語での開発経験などが必要です。
こちらの「PHPの将来性はある?現在のPHPエンジニアのニーズを詳しく解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
PHPエンジニアの求人内容例
PHPエンジニアの求人には、ECサイトやWebサイトなどのさまざまな業務内容のものがあります。バックエンドエンジニア、Web アプリケーションエンジニアなどを例に、PHPエンジニアの求人内容を解説します。
PHPエンジニア求人における仕事の種類
PHPエンジニアの求人には、主に「ECサイト」「その他のwebサイト」「業務システム」「ゲーム」などの種類があります。それぞれ新規開発や機能改善案件などに携われます。
ECサイト
オンラインショップの利用が増加する近年では、多くのPHPエンジニアがECサイト開発業務を行っています。ECサイト開発ではPHPがよく使用され、商品表示やカート機能などにPHPを用いたシステムが構築されます。
また、利用者の多いスマートフォンやタブレットに対応したシステムの開発など、求められる内容もさまざまです。
その他のwebサイト
Webアプリケーション・企業サイト・福祉・医療関連サイト、スポーツメーカーサイトなど、PHPエンジニアが活躍できる場はさまざまです。PHPでは、来訪者にアピールできる動きのあるコンテンツを作成できます。
こちらの「WEBエンジニア転職!失敗しないためのポイントと必要な準備とは?」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
業務システム
PHPは、企業が使用する業務システムの開発にも使用されます。会計システム、人事・給与システム、在庫管理システムなどが、PHPで開発できる主な業務システムです。プログラム完成後の、修正や不具合対応などの運用保守業務もあります。
ゲーム
PHPを使ったゲーム開発には、個人向けや企業向けなど幅広いジャンルのものがあります。3Dゲーム開発、ソーシャルゲームのサーバーサイド開発などがPHPを使用して作るゲームです。
求人内容例:バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアとは、システムやサイトなどでユーザーの見えないバックエンド部分の業務を担当するエンジニアのことです。「新規システム開発」「システム運用」「サーバーやデータベースの構築」「チームの立ち上げ・マネジメント」など、その業務内容は多岐にわたります。
新規システム開発
バックエンドエンジニアのメインとなる仕事が新規システム開発です。ユーザーが見えない部分のシステム開発に携わります。
システム運用
開発後のシステムを運用し、問題が発生していないかのチェックや、プログラムの改善などを行います。セキュリティ対策や不具合、エラーの監視・対応なども重要な業務です。
サーバーやデータベースの構築
Webサービスを開発する際のインフラ整備を行う仕事です。クラウドサービスを利用した環境構築や、オンプレミス環境でのWebサーバー構築などがあります。Webサービスなどで利用する情報を保存するデータベース構築も担当する業務のひとつです。
チームの立ち上げ・マネジメント
バックエンドエンジニアは、仕事によってはプロジェクトの運営から管理まで全般を担当する場合もあります。
こちらの「バックエンドエンジニアのスキルアップに必要な知識とは?将来性も紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
求人内容例:Web アプリケーションエンジニア
Web アプリケーションエンジニアは、Webブラウザ上で動作するアプリケーションを作る仕事です。
「Web アプリケーションの開発」「チームの立ち上げ・マネジメント」「言語や開発環境などの選定」「システム設計・プログラミング・動作テスト」が主な業務内容で、顧客とコミュニケーションを取りながら、要望に合うアプリケーション開発を行います。
Web アプリケーションの開発
Webブラウザ上で利用するアプリケーションの開発を行います。顧客の課題を解決するソリューションを提案し、目的に合ったアプリケーションを作ります。
チームの立ち上げ・マネジメント
アプリケーション開発に必要な技術をもつメンバーを集めてプロジェクトチームを立ち上げます。開発中には全体的なマネジメントを行います。
言語や開発環境などの選定
Webアプリケーション開発にはさまざまな言語が使用されるため、必要な動作や処理に適した開発環境、言語を選ぶことが大切です。
システム設計・プログラミング・動作テスト
開発するアプリケーションの目的が確認できたら、システムを設計し設計書通りに定められた言語でプログラムを実際に組みます。完成後には動作テストで機能の不具合をチェックします。
こちらの「アプリケーションエンジニアの転職事情は? 将来性や転職成功のコツを解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
PHPエンジニアが転職時の経験年数
PHPエンジニアが転職するのに適した経験年数は3~5年ほどといえます。経験年数が1~3年程度の場合、プロジェクトリーダーの指示に従ってテストや修正などを行うのが一般的です。
作業全体を把握、管理できるようになるには3~5年程度必要で、このころになると細かい指示がなくても仕事を進められるようになります。
チームリーダーを経験する、詳細設計作成などの上流工程に関わるなど、総合的な実力がつく時期が、キャリアアップが目指せる転職に最適な時期でしょう。
転職時にもっていたいスキルや経験
転職時にもっていたいスキルや経験には、PHPと関連するプログラミング言語、フレームワークやライブラリ、サーバーやデータベースなどさまざまなものがあります。
転職を検討している場合には、これらのスキルや経験を身につけてから転職活動をするのがおすすめです。
PHPとその関連するプログラミング言語のスキル
転職を始める前には、PHP言語を学んでいることはもちろん、PHPを用いてプログラミングをした経験をもっている必要があります。
PHPに関連する主なプログラミング言語は、Webアプリケーション開発に使用されるRuby、Python、アプリケーションや基幹システムなどに使用されているJavaなどです。
関連する言語を使用したプログラミングが可能だと、より転職活動に役立ちます。
こちらの「Javaの将来性は今でも高い?Javaエンジニアに必要なスキルも紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「PHP」については
こちらの「PHPの将来性はある?現在のPHPエンジニアのニーズを詳しく解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「Python」については
こちらの「Pythonの将来性は高い?メリットやできることも合わせて解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
フレームワークやライブラリの知識を深める
PHPエンジニアの業務では、PHPを使うときに必要なフレームワークやライブラリの知識も必要です。
業務効率化につながるLaravel、CakePHP、Symfonyなどのフレームワーク、Symfony Console Component、Symfony Finder Componentなどのライブラリの知識を深めて業務に活かせると、重宝されるでしょう。
主なフレームワークやライブラリを押さえて、ソースコードを書けるとより条件の良い仕事が見つけやすくなります。フレームワークやライブラリのリサーチ力も身につけておくことが大切です。
サーバーやデータベースの知識を習得する
サーバーやデータベースの知識は、Webシステムの開発時に欠かせない知識のひとつです。
Webサービスはサーバー上で稼働するため、開発時にはサーバーの知識が欠かせません。またPHPはサーバーサイドの言語です。サーバー側でフロントとデータベースとの連携も行うため、データベースの知識をもつ必要があります。
Apacheなどがよく使用されるサーバーで、MySQL、PostgreSQL、Microsoft AccessなどがPHPに関連する主なデータベースです。
こちらの「データベースエンジニアとは? 必要なスキルや年収や将来性を解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
フロントエンドの知識と経験を得る
PHPはWebシステム開発の仕事に関連するケースが多いため、フロントエンドの知識と経験があると役に立ちます。
フロントエンドでは、主にHTML、CSS、JavaScriptの言語が使用されます。HTMLはホームページの文章や構造、表示の仕方などを記述する言語で、CSSはWebデザイナーが主に使用するホームページ装飾のための言語です。
フロントエンドエンジニアが使用する言語がJavaScriptで、JavaScriptではHTMLの改変、アニメーションなど実にさまざまなことができます。フロントエンドの知識としては、JavaScriptを身につけるのがおすすめです。
こちらの「フロントエンドエンジニア転職! 求められるスキルやポートフォリオを解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
上流工程の知識と経験を得る
前述のように、3~5年の実務経験がある人はチームリーダーを任される場合があります。
チームリーダーとして必要になるのが上流工程の知識と経験です。システムの要件定義や基本設計といった上流工程を行い、顧客やチームとの調整を図るなど、プロジェクトの開始、進行を管理するための能力を経験により身につけておくことが大切です。
PHPエンジニアが転職やステップアップするためのポイント
PHPエンジニアが転職やステップアップを行うためのポイントを解説します。
資格を取得、PHPのポートフォリオを作成する、プレゼンテーションスキルを磨くなど、能力をアピールできるように準備しておくと、ステップアップに役立ちます。
資格で客観的にスキルを証明する
資格を保有する場合、履歴書にも記載でき、スキルの客観的な証明が可能です。PHPのスキルを認められるおすすめの資格には「PHP技術者認定試験」と「Linux技術者認定試験 LinuC(リナック)」があります。
PHP技術者認定試験
日本マイクロソフト社などが協賛し、PHP技術者認定機構が開催する、PHPに関する知識とスキルを認定する資格です。「初級試験」「上級試験/準上級試験」の2つのレベルがあります。
「上級試験/準上級試験」は3年以上の実務経験者を対象に行われ、試験の難易度も高くなります。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式のため、指定された会場のパソコンを使用して年中受験可能です。
また、試験で9割以上正解した場合、所定の論文とともにPHP技術者認定機構に申請すると、論文への投票結果によりさらに上位の「PHP 技術者認定ウィザード」資格が取得できます。
Linux技術者認定試験 LinuC(リナック)
「LinuC」は特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが行う、日本市場向けに制定されたLinux技術者認定試験です。
全国のテストセンターで受験可能で、会場によって試験可能日が異なります。
試験のレベルは「LinuC-1」「LinuC-2」「LinuC-3」の3種類あり、独学での受験もできます。ただし、上位資格は下位資格を保有していないと受験できません。
PHPのポートフォリオで実力を示す
PHPエンジニアとして転職する際には、ポートフォリオを利用するとPHPの技術力を示せます。
ブログやECサイトの様式で、ログイン機能、お問い合わせフォームなどの機能を搭載するなど、サイト開発のスキルを証明できるポートフォリオを作成して実力をアピールします。
プレゼンテーションスキルを伸ばす
転職後には、プロジェクト中に開発計画、進捗状況などを関係者にプレゼンテーションする機会もあるでしょう。
即戦力を求める会社ではとくに、的確な説明をするためのプレゼンテーションスキルを身につけることが求められます。スムーズに情報を共有するため、資料作成能力も必要です。
マネジメントスキルを高める
プロジェクトマネジメントなどの経験があると、上流工程を任される可能性が高まり、転職やステップアップにも有利です。
納期までに計画を適切に進められる高いマネジメントスキルをもつエンジニアは重宝されます。マネジメントスキルを高めてからPHPエンジニアの転職を始めると、良い条件での転職が可能です。
まとめ
PHPエンジニアは、現在多くの求人数があり安定して転職できる仕事です。
転職、ステップアップを検討している場合には、PHPエンジニアに求められるスキルやアピールできる資格、経験などを事前に取得することがおすすめです。
ステップアップを目標にしてポイントを押さえながら必要なスキルや知識を身につけるなど、転職活動の準備を行うとより良い転職が行えます。
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無料のキャリア相談を予約するよくある質問
PHPエンジニア転職で必要とされるスキルや経験は何になりますか?
よくあげられる例として「PHP関連のプログラミング言語のスキル」「フレームワークやライブラリの知識」「サーバーやデータベースの知識」「フロントエンドの知識と経験」 「上流工程の知識と経験」などになります。詳細は「転職時にもつべきスキルと経験」で説明しているので確認ください。
PHPエンジニアとしてキャリアアップするポイントはありますか?
はい。よく言われていることとして「資格を取得」「PHPのポートフォリオを作成する」「プレゼンテーションスキルを磨く」「マネジメントスキルを身につける」など能力をアピールできるように準備しておくことがあげられます。詳細は「PHPエンジニアが転職やステップアップするためのポイント」で説明しているので確認ください。