アプリケーションエンジニアは、IT業界のなかでも人気職種のひとつです。一方、転職するには、どのようなスキルや資格が必要なのかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではアプリケーションエンジニアの仕事内容や将来性をはじめ、転職を成功させるコツなど、転職を検討中の人に役立つ情報をお届けします。
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アプリケーションエンジニアとは
ITエンジニアといっても、システムエンジニアやネットワークエンジニアなどさまざまな種類に分けられます。なかでもアプリケーションエンジニアは、ITシステムに含まれるアプリケーションの開発・運用を行う技術者を指します。
ここで言うアプリケーションとは、スマートフォンでよく用いられるネイティブアプリだけでなくWeb系も含めたソフトウェア全般のことです。具体的には企業の業務管理システムや金融システム、ショッピングサイトやSNSなど、アプリケーションエンジニアが携わる分野は多岐にわたります。
アプリケーションエンジニアには、ソフトウェアやハードウェアだけでなく、ネットワークやデータベースなど幅広いIT知識が求められるのです。
アプリケーションエンジニアの将来性
スマートフォンが普及し、性能の高いモデルが次々に登場する現在、製品性能の向上に比例して、搭載するアプリケーションも増加の一途をたどっています。また企業もDXを推進しており、業務効率向上のためのアプリ開発の需要もさらに高まるでしょう。
こうした状況から、アプリケーションエンジニアは将来性のある職種と考えられます。技術が進めば、新しい機能の追加やシステム改良などの依頼も増えてくるでしょう。またアプリケーションエンジニアは、ITエンジニアの中でも常に人手不足の傾向があり、求人数も多いため、今後大きくニーズが低下する可能性は低いといえます。
アプリケーションエンジニアの仕事内容
アプリケーションエンジニアは、アプリ開発のための要件定義や設計、動作テストや運用・保守まで、アプリ開発にまつわる一連の作業をすべて担います。そのため、プログラミング言語やネットワークなどシステム全体を把握できる知識はもちろん、場合によってはチームを統括するマネジメント能力も必要です。
所属する企業やプロジェクトによって担当する業務の範囲は異なるので、転職の際には募集内容をよく確認しておくとよいでしょう。
こちらの「アプリケーションエンジニアの年収を解説! 上げる方法や他IT職種との違い」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
アプリケーションエンジニアの転職に必要な知識・スキル
アプリケーションには「業務アプリケーション」、「Webアプリケーション」、「スマホアプリケーション」の3種類があり、それぞれ開発に携わるエンジニアに必要な知識やスキルは異なります。
業務アプリ開発の知識・スキル
業務アプリとは、企業の顧客システムやインフラなどにかかわるアプリです。
主なアプリには、業務効率化システムや在庫管理システム、自動化ツールなどが挙げられます。またクラウドを使った大規模なサービスや、官公庁、金融、交通などインフラに関するシステムを開発する場合もあります。
使用するコンピューター言語としてはJava、COBOL、C、C#が挙げられます。特にJavaはシステム開発の基本となる重要な言語です。開発するシステムの言語を扱えるだけでなく、サーバーやデータベースの知識があると有利になります。
業務アプリは企業内で使われるアプリのため、転職の際はその企業や業界への知見も深めておくとよいでしょう。官公庁やインフラ関係では、ほかのアプリケーションより細かいルールが設定されている場合があり、それに従って開発を進めていく必要があります。
こちらの「Javaの将来性は今でも高い?Javaエンジニアに必要なスキルも紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「COBAL」については
こちらの「COBOLの将来性は? 特徴や今後エンジニアが身につけるべき知識を紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
Webアプリ開発の知識・スキル
WebアプリはWebブラウザ上で使用するアプリです。
サーバーで動作するバックエンドと、ユーザー側のフロントエンドでシステムが分かれており、それぞれ扱う言語が異なります。
バックエンド開発でよく使われる言語は、PHP、Ruby、Python、SQL、Java、Goなどです。一方、フロントエンドではHTMLやCSS、JavaScriptといった言語を用います。自分が担当したい分野にあわせて、必要な言語の知識を習得しましょう。
また、データベースを管理する言語であるSQLや、ほかのアプリと連携するためのAPIの知識を備えておけば、より採用されやすくなります。さらにマルウェアなどの外的要因からアプリケーション守るため、セキュリティの基本知識もあると望ましいです。
こちらの「PHPの将来性はある?現在のPHPエンジニアのニーズを詳しく解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「Python」については
こちらの「Pythonの将来性は高い?メリットやできることも合わせて解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
スマホアプリ開発の知識・スキル
スマホアプリはiOSとAndroid、それぞれの環境で使用する言語が異なります。担当する環境に応じた言語のスキルが必要です。
iOSではSwiftやObjective-C、AndroidではKotlinやJavaがよく使われています。それらのプログラミングスキルに加え、各OSの知識も習得しておきましょう。
また、最近はiOSとAndroidの双方で動作する、クロスプラットフォームアプリの開発も増えています。スマホアプリは需給の移り変わりが激しい分野なので、最新の技術やトレンドを知っておくことが重要です。
アプリケーションエンジニアの転職で有利になる資格
IT系エンジニアの資格は数多くありますが、アプリケーションエンジニアの転職では、どのような資格を取っておくと有利になるのでしょうか。主な資格を3つ紹介します。
IT業界で働くために必要な基本情報処理技術者試験
「基本情報技術者試験」は、経済産業省所管のIPA(情報処理推進機構)が主催する「情報処理技術者試験」のひとつで、入門編とも言える国家試験です。
基本情報処理技術者試験を習得すると、高度IT人材となるために必要な基本的知識や技能を習得した人として認定され、上位者の指導のもとでシステムの設計や開発、運用に必要な能力があるとアピールできます。
試験ではITに関する基礎知識やシステム開発の技術、論理的な考え方などが問われます。春と秋の年2回開催されており、年間10万人以上もの人が受験しています。IT業界では知名度の高い試験であり、難易度もさほど高くないので、これからアプリケーションエンジニアとして働きたい人におすすめです。
上流工程に関わる人向けのシステムアーキテクト試験
「システムアーキテクト試験」は、情報処理技術者試験のひとつで、先述した「基本情報処理技術者試験」の上位資格にあたります。この資格はシステム開発における要件定義やアーキテクチャ設計などの上流工程に携わる人を対象としており、高度な知識と技術が問われます。
試験内容は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つの分野に分かれています。情報システム戦略の全体像を把握するだけでなく、ほかのエンジニアを統括する能力も問われるため難易度は高く、合格率は12~15%程度です。
システム開発の基盤となるC言語プログラミング能力認定試験
C言語は、さまざまなアプリケーション開発に用いられる基礎的なプログラミング言語です。「C言語プログラミング能力認定試験」は、C言語についてどの程度のスキルを有しているかを証明する民間資格で、取得すると転職の際に有効なアピール材料になります。
この試験はレベルに応じて1~3級に分かれており、初心者から現役のエンジニアまで幅広い人を対象としています。
難易度としては3級がC言語の概念を理解して簡単なプログラムを書けるレベル、2級は基本アルゴリズムを理解して小規模なプログラミングができるレベル、1級が応用的な言語処理などが可能で使用するOSを理解できるレベルと定義されています。転職活動を有利にするには、2級以上を取得しておくとよいでしょう。
合格率は60%前後であり、スキルに合わせた試験を選んで受験対策をすれば合格はさほど難しくはありません。自身のスキルでは難しいレベルへ挑戦する際には、スクールを活用してもよいでしょう。
アプリケーションエンジニアへの転職を成功させるコツ
アプリケーションエンジニアへの転職を成功させるには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。以下に大切なポイント2点について、くわしく解説します。
転職・志望理由を明確にする
アプリケーションエンジニアの経験がない場合には、ほかの応募者と差別化するためにも、転職や志望の理由を明確にする必要があります。
数ある仕事の中からなぜアプリケーションエンジニアを志望したのか、なぜその企業を選んだのか、できるだけ具体的にアピールしましょう。
その企業が手がけた仕事や制作したアプリをリサーチし、具体名を例に挙げながら惹かれた理由を説明するのも効果的です。
一方、「今の仕事を辞めたかったから」といったネガティブな理由を志望動機に挙げたり、給与や待遇のみ言及したりするのは、相手の印象を悪くする可能性があります。「勢いのあるIT分野で自分の可能性を試したい」のようなポジティブな志望動機を考え、アプリ開発や企業への熱意を伝えましょう。
適した人材と思われるような自己アピールをする
異業種からの転職の場合、直接企業のメリットにつながるスキルをアピールするのは難しいかもしれません。
しかし、アプリケーションエンジニアに必要なスキルは技術的なものだけではありません。提案力や向上心、マネジメント能力やコミュニケーション能力も重要です。
アプリケーションエンジニアの仕事に役立ちそうな前職での経験や自身の長所をピックアップし、面接でうまくアピールできるよう対策を練っておきましょう。
例えば前職でプロジェクトを成功に導いたり、チームやプロジェクトのマネジメントに携わった経験があれば、ぜひ優先的に伝えましょう。また、資格がなくてもプログラミングのスクールに通った経験があれば強みになります。
また、近年の技術進歩が著しいアプリ業界ではAIなどの先端技術を素早く応用し、実用化することが求められます。現在のトレンドを捉え、自身がアプリケーションエンジニアとしてどのような付加価値を生み出すことができるかに加え、5年・10年先の中長期的なビジョンを語ることができると、ほかの応募者と差をつけられるでしょう。
アプリケーションエンジニアから転職するケース
転職は異業種からだけではなく、同じアプリケーションエンジニアで所属する組織を変える場合もあります。アプリケーションエンジニアのキャリアパスとしては、どのようなパターンがあるのでしょうか。
こちらの「エンジニアのキャリアパスを徹底解説!種類や具体例設計方法を紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
上流工程に携わる
アプリケーションエンジニアのキャリアは運用や保守といった下流工程から始まるのが一般的です。
同じ会社に所属したまま、要件定義や設計といった上流工程にステップアップする人もいますが、所属する組織が上流工程に携わっていない場合などは、スキルと経験を身につけて転職する必要があります。
異なる分野のアプリケーションエンジニアへ転職
「業務アプリの開発を行っていたが、より一般的なユーザー向けのアプリを作りたい」などの理由で、同じアプリケーションエンジニアでも異なる分野に転職するケースがあります。
業務アプリからスマホアプリ、Webアプリから業務アプリなど分野が変わっても、開発のノウハウは一部共通しています。Javaのような汎用性の高い言語の知識や、分野を問わず応用できる幅広いスキルを持っていれば、転職は比較的スムーズに進むでしょう。
将来的にフリーランスへの転向を考えているなら、さまざまな分野を経験することはスキルアップにもつながります。
プロジェクトマネージャーへ転職
転職を機にプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーにステップアップする人もいます。
最近はエンジニアのリーダーである「テックリード」や製品の責任者である「プロダクトマネージャー」など、マネジメント職も細分化されており、アプリケーションエンジニアのキャリアパスも広がっています。
プロジェクトマネージャーに転職するには、要件定義から開発までシステム全般の知識を熟知するだけでなく、チームを率いるコミュニケーション能力やマネジメントのスキルも習得しておく必要があります。また、トレンドの入れ替わりが激しい業界なので、新しい技術や知識を学び続ける姿勢も大切です。
こちらの「プロジェクトマネージャーに転職するには? 向いている人や将来性を解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
まとめ
スマホの普及や企業のDX化が進む現在、アプリケーションエンジニアのニーズは高まる傾向です。
スキルを磨き経験を積めば、プロジェクトマネージャーやフリーランス、コンサルタントなど多様なキャリアアップを選択できます。求人数も多いため、しっかりした経験やスキルがあれば、希望する転職先へ就職できるでしょう。
転職活動では、自分のスキルや希望に見合った企業を選び、明確な目的や志望動機を持つことが重要です。そのためには、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。
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無料キャリア相談を申しこむよくある質問
アプリケーションエンジニアで求められるスキルはありますか?
はい。まずは「業務アプリケーション」「Webアプリケーション」「スマホアプリケーション」があげられます。その上で転職活動を成功させるためには、スキルの棚卸しや求人情報のリサーチなど、十分な対策を行う必要があります。エージェントを活用することもおすすめです。詳細は「アプリケーションエンジニアの転職に必要なスキル」で説明しているので確認ください。
転職する際のポイントはありますか?
はい。基本ではありますが「転職・志望理由を明確にする」「適した人材と思われるような自己アピールをする」は必須であると言えます。詳細は「アプリケーションエンジニアへの転職を成功させるコツ」で説明しているので確認ください。
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